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2019.04.30

未来は過去からしか語れない

 Future SWOTの話をしていると、時折「ソウイエバ記憶と未来のSWOTはどこでどうつながるんですか?」という質問をお受けすることがあります。確かに、ソウイエバ記憶とは下意識の底に深く沈んだ記憶のカケラですから、ちょっと考えてもなかなか未来の姿にはつながりそうにありませんよね。一見正反対に見えるFuture SWOTとソウイエバ記憶はどこでどうつながっているのでしょうか?

 この話については、未来の事を考えるときに誰もが必ず過去のデータをヒントにしているのだということをまずご認識いただきたいと思います。Future SWOTも「人間は過去の記憶からしか真剣に未来を考えられない」、という考え方に基づいて作られています。

 「10年後どうなるか」という雲をつかむような話を向けられると、人間はそのキーワードについて自分が知っていることを検索し始めます。近い記憶から遠い記憶へ、連想から二次連想へと検索の裾野は広がり、運よくヒラメキが生まれるにせよ苦し紛れにせよ、最後は絞り出すようにして何かコメントしようとします。その際に、関連した記憶があれば当然詳しく思い出そうとするわけです。

 悪く言えばFuture SWOTは、関連する情報について心の中で「当たるを端から」チェックする、という方法でもあるわけで、アイディア・マイニングの成功確率は高くないとお伝えする理由がそこにあります。元々、自発的に仲間とは共有されることなく心に沈んでいた記憶ですから、キラリと光る可能性は実は決して高くはないのです。

 それでもあれこれ突いていると、何かの拍子にキラリと輝く原石を掘り当てたりする場合があります。ざっくり言って、一回のセッションで出てくるコメントの8割は使い物にならないでしょう。2割くらいは「まあ聞いてやろうか」というレベルのものが出て来ます。本当に光る原石は、一回のセッションで一つあるかないか、というところだと思います。その多くが、実は発言者の心に沈んでいた過去の記憶と何らかの繋がりを持つ情報なのです。

 「赤鼻のトナカイ」というクリスマスソングがありますが、誰もが知っていたはずの役立たずな情報(トナカイの鼻は赤い)が、特殊な環境では優位に働く(年に一度、クリスマスイブの夜空を飛ぶサンタクロースにとっては照明代わり)、というようなことがあります。そこまで劇的でないにしても、組織の中には忘れられていた強みや、過去の失敗から得られたはずの教訓など、「ソウイエバ」と思い出すことで価値が出てくる情報は思いのほか沢山蓄積されています。そして、もうお分かりだと思いますが、その情報を活用する舞台はといえば、未来のビジネスチャンスをおいて他にはないのです。