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2019.04.09

代替わりしたならば

会社でも教育機関でもそうですが、組織の長が代替わりしたとするならば、引継ぎの挨拶回りなどでしばらくは忙しい日々を送ることになり、勢い内部の仕事はしばしお預けになったりするものです。でも、内部にとってトップの交代というのは、それまでできなかった改革を進める上で実は大きなチャンスなのです。

長年の人間関係やさまざまな歴史的要因が障害になり、内部の組織が「変わりたくても変われない」という状態に陥ることはどの世界でもあることです。それを一気に変えるチャンスが実はトップの交代です。それを成功させるために、組織とそこで働く人たちは何ができるのでしょうか?また、新しいトップは何を心がけるべきなのでしょうか?

コンサルタントとして日々クライアントさんに接する中で感じるのは、組織で働く人たちが実に様々なことを観察しており、実に豊かな情報を持っているということ、それなのにそのうちごく限られた情報しかトップとは共有できていないという事実です。

組織で働く実に多くの人たちが、「ウチの会社もこうなれば良いのに」といった、漠然としたイメージを持っています。残念ながら多くの場合は「なるために何をどう変えれば良いのか」、「本当になれるのか」、「なれなかったときに何をどうすべきなのか」等の点まで突き詰めた成案ではないのですが・・。

でもその中には、潜在的に光る提案が眠っていることも多々あるのです。それを引き出し、磨き上げ、組織がより強く変化して行けるように方向付けるのがトップの役割なのです。

・・と、ここまではよく耳にする組織論と何ら変わりはありません。今日私が申し上げたいのは、トップが内部で働く人たちから絶対に聞き取るべきもう一つの情報が「何を変えてはいけないか」であることなのです。

それは組織の本質だったり、経営理念のコアだったり、設立時の創業精神だったりすると思いますが、それ以外にも「確かにこれは重要だ」「何があっても後世に伝えるべきだ」という部分ができているかもしれません。余人を持って代えがたい名人の技術かもしれませんし、長い伝統を受け継ぐ人のつながりかもしれません。

トップとしては新しくとも、それまで組織の中で培った皮膚感があるのなら、そういった「変えるべきではないところ」についても併せて聞き取ることで、自然と肚に落ちる方向性が見えてくるものなのです。そのうえで、自分のコトバで考え方をはっきりと示すこと。新しいトップが内部に向けてまず最初に行うべきは、このプロセスを置いて他にないのです。

年度も変わり、あちこちで新しいトップが仕事を始めている時期です。船出が順調に進むことを願ってやみません。