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2019.02.26

発想と探鉱は似ている

その昔、発想法に関するビジネス書がブームになった当時から、私はさまざまな手法とその裏付けとなる理論や考え方に一方ならぬ興味を抱いてきました。たとえば中山正和さんが提唱したNM法は連想に基づいた発想法ですし、同様に類比発想を体系化したものとして、アメリカ発のシネクティクス法があります。

それに比べると、川喜多二郎さんのKJ法は、情報のとりまとめと論理的な位置関係をビジュアルに整理する点で優れていたと思うのですが、実は非常にロジカルで、必ずしも連想の力に頼らない手法です。ただ、そのいずれもがデジタル全盛の今日では人気がなく、廃れてしまったような印象があります。それはどうしてなのでしょうか?

特に連想を使ってアイディアを探る方法は、単なるイメージに過ぎませんが、鉱脈を探り当てようとする探鉱に似ているような気がします。連想によるアイディア探しもそうですが、あちこちの地層を探って最後にたどり着くというプロセスが直接的でないというか、不要な回り道をしているイメージがあってスピード感に欠けるあたりがデジタル世代には受けないのかもしれません。

確かに、連想のための連想を冗長に続けていられるほど現代人は暇ではないわけで、そう考えると何人もの関係者が一堂に会し、一定の時間を作業に取られるという方法は、それだけでも敬遠されてしまいそうです。

でもそれは、アイディア探しの価値が下がったとか、現代社会ではアイディアを出さなくても仕事が進むという話ではないだろうと思います。確かに、最も手軽な発想法であるブレーン・ストーミングは今日まで脈々と使われ続けています。冗長性を回避しつつ、時間効率を上げるような手法が開発されれば、現代社会においてもその有用性は十分価値を持つものなのではないか、私はそんなふうに思っています。

Future SWOTカードゲームは、全く手掛かりなしで取り組む発想法に比べるとカードのメッセージに答えてゆくという決まったプロセスを経る分だけ冗長性が軽減されています。出たアイディアを仕分けたうえでSWOT分析をかけるという流れも、時間を節約するための対策と認識いただいて間違いはないと思います。

いかんせん、現状では関係者が一堂に会してゲームをする必要性があるため、忙しい現代人にとって理想的な手法だとまでは言えないのですが、このあたりもネットアプリで同じようなことができるようになると空間的な乖離は埋められるようになりそうです。そのくらいになると、たとえば東京本社と北海道の工場と鹿児島の研究所で、同じセッションを通じて相互理解が深まる、などと言った場面が出てくるのかもしれません。そうなる明日をぜひ夢見たいと思います。