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2019.02.05

意識と下意識

ちょっと昔になりますが、スポーツ選手やビジネスマンに支持された「メンタル・マネージメント」という名著がありました(今でもネットの古本販売サービスなどで入手可能だと思います)。

射撃でアメリカのオリンピック選手だったラニー・バッシャムと言う人が書いた本ですが、その言わんとするところは「人間は一時に一つの事しか意識できない」「それ以外の知識や概念は下意識へと追いやられる」という考え方です。

下意識とは、普段は忘れている知識みたいなイメージで、パソコンのメモリが一杯になると一時的にハードディスクへ書き出される「仮想メモリ」のようなものだと理解しています。

典型的なのはゴルフですが、おしなべてスポーツが初心者にとって難しいのは、この「一時に一つの事しか意識できない」という制約条件があることによります。

競技特有の体の使い方や、ボールを上手く打つためのコツなどは、意識すべきポイントが次から次へと入れ替わるため、意識を目まぐるしく更新させる必要が出てくる、そうすると脳の処理スピードがプレイのスピードに追い付かなくなる、ということです。

バッシャムが言うには、練習をひたすら繰り返すことで、当初は意識していた体の動きを体に覚え込ませることで、下意識レベルでも動きを上手くこなすことができるようになる、名選手は皆そうやってコツをものにしている、ということです。

ゴルフで言えば「スタンスはスクエアに」「脇を絞めて」「両腕の三角形は崩さずに」「左手がスイングをリードする」「頭を残して」など、初心者にとってはどれも一つずつ意識しないと上手くできない一連の動きを、名選手は体(下意識)に覚え込ませている(ルーティン化している)ため、特に意識する必要がない、その分だけ上級者はたとえば風や芝目などに意識を向けることができる、というお話です。

ビジネスでも似たような話があると思うのですが、たとえばB to Cビジネスなどでは、お客様の来店からお買い上げまでのプロセスは多くの場合ルーティン化されていて、そのままでは誰の記憶にも残らない、という事例も少なくありません。実はこれこそが、意識の向けどころなのです。

ゴルフの上級者が風や芝目に意識をやるように、たとえばお客様の表情に気を配る役目の人を配置することで、ルーティン化により見過ごされている景色の中に対応すべき課題が潜んでいることが浮かび上がります。

そうやって情報を掘り起こすことで、自らのビジネスの課題を見つけ出し、明日への改善に生かしていただきたいと思います。社内情報の掘り起こしに困ったら、ぜひ当社にご相談ください。