ホーム > 新着情報 > 弱みは消えるよ、簡単に
新着情報
2018.12.11

弱みは消えるよ、簡単に

先週に引き続き、SWOT分析がらみのお話をひとつ。この手法を用いる場合に、企業の経営環境を踏まえた戦略案を構築するため、強み(S)、弱み(W)、機会(O)、脅威(T)の4つの要素を導き出すという手順は変わらないのですが、その要素は経営の立ち位置によって大きく変化する場合があることをご認識いただきたいのです。なぜそうなるのか?について少し詳しくお話します。

私は以前、海外で仕事をしていたことがありまして、ドイツ人の上司、そのまた上司がフィンランド人、同僚もペルー人、スペイン人と、豊かなダイバーシティに恵まれた職場環境だったのですが、いずれも英語以外の主要言語を一つ以上話せる人たちでした。そうすると「英語しかできない」ことは、潜在的な「弱み」になります。その後日本に戻って仕事をする中で、「英語ができる」ことは明らかな「強み」になりました。ことほど左様に、勝負するマーケットが変わればそれまで強みだったものが弱みになり、その逆もまた起こりうるということですね。

それと同じく、「機会」や「脅威」についても、ある日突然消えてなくなったりすることがあります。具体的には規制がかけられたり、かけられる予定だった規制が行政側の都合で変更になったり、例外規定が出来たりするパターンがあります。太陽光発電の固定価格買い取り制度の見直しなどは、典型的な機会の消滅だったのではないでしょうか。

外的要因による変化以外にも、経営の目指すところが変化すると、それにつれて強みや弱みが出たり消えたりする場合があります。それまでジュニア育成で結果を出してきた都会のテニススクールが、少子高齢化に対応するためシニア向けのプログラムを充実させるという経営方針の転換を行う場合、ふつうシニアはハードなテニスをするわけではないため、テニスがとても強くてジュニア選手があこがれるようなハードヒッターがコーチとしての強みを失うケースがあったりします。逆に、テニスの腕はそこそこでも、人当たりが柔らかく面倒見の良いコーチがシニアに評価され、それがスクールの強みとして脚光を浴びる、というような展開にもなり得るのです。

もうお分かりかと思いますが、SWOT分析は経営を取り巻くさまざまな事情の変化によってとても移ろいやすいものである、ということです。この手法をよりよく活用するためには、その特性を良く理解して、定期的な中身の洗い替えをすることが最も有効なのです。少なくとも2年に一度くらいはゼロベースから見直す形で分析をやり直すことによって、変化に適応した戦略を維持できるようになります。SWOT分析は一度やったらそれでおしまい、というわけではないことを、この機会にしっかりとご認識ください。

あなたの会社では、経営環境の変化に対応してタイムリーに戦略を見直していますか?