ホーム > 新着情報 > コラム

コラム

2019.08.25

社長のアタマの中を見る

 トランプの一人遊びに「ソリティア」というゲームがあります。Future SWOTカードゲームの使い方にも、一人でやれるパターンはないだろうか?ということで、ここしばらく考えていたのですが、どうにかそれらしい形になってきたので、今日はその原案みたいなものを共有させて頂こうと思います。さて、どんな遊び方なのでしょうか?

 使うもの:Future SWOTカードゲーム一式、メモ帳と筆記用具、模造紙と糊、中太マーカー(チップは使いません)
 遊び方:
① カードをよく切って、山のまま裏向きに置く。
② 会社の先行きについて考えながら、カードを一枚山から引いてくる。
③ カードのキーワードから連想できたものをメモ帳に書きつける。
④ メモ帳は、一枚一イメージに止め、カードをめくるたびに新しいページを使う。
⑤ 52枚全部使わなくても、疲れたところまででおしまい。
⑥ メモ帳のページをバラバラにして、よく切る。
⑦ ランダムに並べたメモ帳のページのうち、似ているものを集める。
⑧ 集めたグループが意味する内容を一言で表した表札をつける。
⑨ グループ同士の関係がわかるよう、模造紙の上に展開する。
⑩ 糊でページを模造紙に貼り付け、グループ間の関係をマーカーで書き表す。

 こういうふうに使うと、社長のアタマの中にある未来の姿が可視化され、紙の上に現れてくるのです。ちょっと面白い使い方だと思いませんか?

 実は先日、中小企業診断士業界の重鎮と意見交換させていただく機会があり、そこで認識を新たにしたのは「中小企業の将来はひとえに社長個人にかかっている」という厳然たる事実でした。Future SWOTは設計思想として社員が持っている知恵や潜在的な情報を活用するという要素があるため、これまでどうしても経営者個人にフォーカスする要素が弱かったのですが、そこで考えたのが「だったら社長が使えるようにすれば良いよね!」ということでした。

 上に紹介した方法で、まずは社長さん一人に使ってもらって、ご自身のアタマの中を可視化するプロセスを体験いただく。そのうえで、「それなら社員にも、」という方向に展開していったほうがよっぽど妥当性を理解してもらいやすい、ということですね。

 たとえどんなに素晴らしい機会を手にした会社でも、経営者の心構えのステージが十分に上がっていないと、その会社は成長機会に適合できずに滅びてゆくことになります。その必要性を社長自身に感じてもらうためにも、まずは自らのアタマの中を可視化してみよう。カードの売り方も、少しずつそんなふうに切り口を変えてゆきたいと思っています。

2019.08.17

一年、経ちました

 早いもので、このコラムは今回が52回目の配信です。一年は52週間あるので、ちょうどこのウェブサイトを始めてから1年が経過した、ということになります。その間に本(「Future SWOTが組織を変える」)が出て、セミナーをいくつかこなして、少ないながらも実際のFuture SWOTワークショップをいくつか実施することができました。これもご支援いただいている皆さまのおかげと感謝しています。今日はこの一年を簡単に振り返ってみたいと思います。

これまでのところ、少なからぬ方々に「10年先のSWOT分析」というコンセプトについての興味を示していただけたのですが、実施手順がやや複雑なこともあってか、なかなか爆発的に広がってゆくというところまでは行きません。

 そんな中で、少しだけ勇気づけられる動きがあったのは、9月上旬に札幌で開催される「第六回中小企業診断士シンポジウム」の戦略提案コンテストに応募したところ、無事書類審査を通過して本番のプレゼンター5名に選ばれたことです。当日は、プレゼンの結果について投票による審査があり、最優秀に選ばれると賞品も出るとのことなのですが、この際賞品は別としても、ぜひ商売を広めるきっかけになればと考えています。

 来週からは、当ウェブサイトも2年目に入ります。営業活動をより地道なものにしてゆけるよう努力を重ねつつ、不定期ながらコラム発信も続けて行きたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いします。

 さて、今週は最近実施した2件のワークショップから抽出された知見についてお伝えしたいと思います。いずれも若い社長さんの会社だったのですが、片方は中堅社員さんばかり5名、もう片方は社長ご自身を含む幹部社員5名を対象に実施しました。

 一社目は、いわゆる事業承継の途上にある会社で、若い経営者が社員の考えていることを把握したい!というニーズに応えて実施されたものでした。本格的な導入を検討するうえでのお試しだったのですが、会社の抱えるさまざまな強みや機会について、社員がどう考えているかを見事にあぶり出すことができたと思っています。今回参加しなかった社員の方に向けて実施できる機会があれば、さらに発見は広がってゆくことでしょう。

 二社目は、同じ若手社長ながらすでに事業承継を終えて堅調に発展しつつある老舗企業でした。海外にも広く展開しており、事業規模から言えば間違いなく大企業と分類される会社だったのですが、やはりお試しの実施で幹部社員対象に実施したところ、将来の戦略案に関する意見がいくつも出てきて、手法の有効性を実証することができました。

 いずれも時間的な制約条件から、可視化した戦略案の「その先」を議論するところまでには至らなかったのですが、次回機会があれば是非そこを深堀りして、最終的には「増収増益体質の確立」と言えるレベルにまで持ってゆきたいと考えています。

 次回は北海道のシンポジウムの結果などについてご報告できると思います。暑い日々が続きますが、皆さまどうぞご自愛のほど!

2019.08.04

未来を見たいと思うのは

 「10年後の未来を知りたくありませんか?」と言われて、思わず関心が向いてしまう人は少なくないと思います。ミライ、この言葉に反応する人は、即ち自身がまだ見ぬ未来を持っている人でしょう。でも、果たしてそれだけなのでしょうか?

 歳を取ってくると、未来の意味が少し違ってくる部分があります。サラリーマンや公務員など勤め人で、引退後をあまり心配しなくて良い人だと、未来=引退後の生活、みたいな図式でしか頭が回らなくなってくる要素が確実にあるようです。仕事の未来、について誘いかけても今一つ反応が鈍いという例もあります。

 そうでないケースはたとえば事業オーナーで、自分が引退した後に会社を誰に託するのか、いわゆる事業承継問題に直面している、というような場合です。一応自分が考える未来図もあるのだけれど、まずは関係者の考えを聞いてみたい、というようなご要望に接することもあります。だからと言って藪から棒に「未来を語ろう」なんて従業員に呼びかけたとしても、空振りに終わるリスクは小さくありません。

 そもそも従業員たちは常に日々の仕事をこなし、顧客に接して自社のありようを考えさせられているので、未来についての洞察はよほどしっかり働きかけないと表には出て来にくいのです。そのような人たちについては、「お膳立て」が上手にできて初めて、普段は語らない未来への思いが口をついて出てくる、ということですね。

 「何となく今のまま、行くんじゃないですかね」未来についての考えを聞かれたとき、そんなふうにしか自分の考えを言えない人は少なくありません。変化を嫌う、または現状にある程度満足している、というふうに取られがちなコメントです。でも私はこのコメントが単純に現状肯定であるという解釈には同意しません。

 聞かれた人も人間ですから、職場において部分的には「何とかしたい」あるいは「これでいいのか」と思っている要素は一つではないはずです。でもそれを「未来は?」という漠然たるコトバに託して話すのはとても難しいのです。だって自分が思っていることは、たとえば手続きの煩雑さであったり、こなすべき仕事の急な入れ替えや変更であったり、なんだか「未来」というコトバとは縁遠い所にあるような感覚があるからです。

 でも、たとえば10年後の未来は5年後の5年後であり、5年後は今から3年後のわずか2年後なのです。そういう日々が積み重なって、やがて未来になってゆくことを肌で感じていればこそ、従業員は「今のまま」という感覚を持ってしまっているのだと思います。

 Future SWOTを使えば、そんな従業員の方たちの下意識に沈んだ未来へのカギを拾い出すことができます。キーワードは「10年後、どんな?」です。日々の職場で目撃するさまざまな場面について、このキーワードを添えることで、心の中をチラ見できるのがFuture SWOTなのです。あぶり出された情報を積み上げて、10年後のビジョンをつくりあげるも良し、目立つコトバをピックアップしてそこからSWOT分析に展開するもよし。覗けた未来からどんなメッセージを読み取るかは、ユーザーであるアナタ次第なのです。